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徒然草気まま読み#89
「恋の深淵」
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今回扱うのは、第二百四十段。
全体に名文だが、特に格調の高い結論部分だけ紹介すると…
梅の花かうばしき夜の朧月にたゝずみ、御垣(みかき)が原の露分け出でむありあけの空も、わが身ざまに忍ばるべくもなからむ人は、たゞ色好まざらむにはしかじ。
うまくいく恋などつまらない、障害があってこそ恋は燃え上がる。
当時の寿命を考えると既に「老人」の域に入っていたはずの兼好だが、恋について語る感覚は若者のようにロマンティックである。
それは、現在の人間よりも情熱的だとさえいえるものがある。
興味の湧いた人は、ぜひ全文を原文で読んでみよう!